今年度の都立高校入試は新学習指導要領初年度の入試でした。
あらためて学習指導要領の改訂によって新しく追加された点を整理しておくと、英語においては
①学習単語数の大幅増加
②文法項目の前倒し
③4技能5領域の重視
以上の3点が大きな変更点といえるでしょう。①に関しては分析が終わったときに、③については来年度以降のスピーキングテスト導入において記事を書く予定です。
今回は②の文法の追加項目についての影響が確認されたのでそれを共有したいと思います。
学習指導要領の改訂によって明記された追加された文法項目を列挙していくと
①現在完了進行形
②仮定法過去
③原形不定詞
④SVOOにおける疑問詞 that節の利用
⑤S+be動詞+形容詞+that節 (副詞節のthat)
⑥感嘆文
以上の6点となります。
今回の令和4年度入試において新しく用いられた新課程追加文法は
①の現在完了進行形、③原形不定詞、⑤副詞節のthat です。
まずは①現在完了進行形です。今年度の入試では大問3⃣本文と設問選択肢において使用されていました。
(今年度の出題例:
本文 Keita: I go running near my house every morning. I have been doing that since I started high school.
問3 選択肢ウ he has been running since he started high school.)
have+been+doingの形で継続を表す文法ですが、従来は高校で習う相でした。
次に③原形不定詞です。従来はLet's go. Let me see. など慣用表現として使われているもののみが例外的に出題されていましたが、今回はhelp+目的語+動詞の原形の文法が3文ほど確認できました。
最後の⑤副詞節のthatに関しては、学習指導要領に新しく明記されたという形では新しいもののこれまでの入試においても使用されていることから「新しい」とは言えないかもしれません。ただし、Newclownなどの教科書では文法項目として取り立てて扱っておらず、習った記憶が明確な生徒さんは少ないと思います。
(今年度の出題例:
本文: I didn’t know that many other events were also held in them. I was a little surprised to learn that.
設問:Tony was a little surprised that many other events were also held in the parks in his town.)
以上、3つの文法の新規出題例を確認しました。
改訂の影響は全体から見ると大きくはないように思いますが、やはり新課程追加文法の出題があるということはしっかり頭にいれて授業や学習を進めていく必要がありそうです。
参考書や過去問活用など改訂の影響を考慮しつつ独学するのは難しいところもあるかもしれません。変化の大きい入試においては学校の先生や学習塾などプロをうまく活用していくことをオススメします。
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