入試直前期ということで、都立入試の出題傾向と今年度の出題予想を共有していきたいと思います。
都立入試の理科は6つの大問から構成されます。
大問1 小問集合
大問2 レポート資料型 小問集合
大問3 地学分野(気象 天体 火山地震地層等)
大問4 生物分野(植物 動物 生殖等)
大問5 化学分野
大問6 物理分野(運動 電気)
大問1や大問2に関しては満遍なく出題されるのですが、
大問3~6で出題される分野はかなり限定することが出来ます。
大問1で出される小問は、基礎的な知識問題が多くなります。
広く浅く勉強することが重要です。
大問2ではレポート資料型の小問集合です。
密度や濃度、速さの計算問題も出題されるため、単なる知識問題ではなく
与えられた資料を基にしっかりと考える問題となっています。
特に会話文、説明文、資料などにかなりのヒントがちりばめられているのが特徴です。
知識がなくとも考えればある程度絞れる問題もあるので、しっかりと読み込んで解きましょう。
大問3 地学分野
地学分野は大きく3つに分類することが出来ます。
中1で習う地学(火山地震地層)
中2で習う気象
中3で習う天体
以上の三つが順番に出される傾向にあります。
今年度は、天体(太陽・月・金星・惑星)が出題される可能性が高いでしょう。
(2/22結果追記:予想通り天体が出題されました。)
以下の表は学習指導要領が新課程となった年度からの出題をまとめたものになります。
H15~H24についても重要なデータとなりますが、今回は割愛させていただきました。
上記の表から考えると、
令和6年度、今回の出題は 天体(太陽、月、金星などの運動、見え方) が出題される可能性が高い単元であると予想できます。
R2、H28、H26、H21、H17年度の過去問大問3を見ておくとよいでしょう。
特に月・金星・惑星の見え方などのH28の問題は一度解いておくことをオススメいたします。H28については、出題後かなり話題となった問題です。解き方考え方を先生などに聞いておきましょう。
大問4 生物分野
生物分野は、
中1で習う植物
中2で習う動物
中3で習う遺伝、生態系
以上の三つが順番に出される傾向にあります。
順番通りにいくと、今年度は植物(光合成・蒸散)が出題される可能性が高いでしょう。
植物では、比較対象実験が中心となるため、光合成の実験と蒸散の実験の二つを中心に復習しておくことが必要です。令和3,H30、H27、H24、H20、H18年度の過去問大問4を見ておくとよいでしょう。(2/22結果追記:こちらも予想通り植物(光合成)が出題されました。)
大問5 化学分野
化学分野は
中1で習う物質の性質
中2で習う化合分解と酸化還元(質量保存則と比例反応)
中3で習うイオン(中和、電気分解と電池、酸と塩基)
からの出題ですが、おおむね中3と中2の交互で出ることが多くなってきています。
去年一昨年と連続して中3範囲のイオンを中心に幅広く出題されたので、今年度は化合分解と酸化還元反応などが狙われるのではないかと思います。しかし化学分野はかなり関連性の高い積み上げ教科であることからも特に山を貼る必要性はなく、満遍なく学習することが良いと思われます。化学反応式だけでなく、分子や原子などのモデル図による表現方法にも慣れておきましょう。(2/22結果追記:今年度は中1で習う単元の溶解度曲線などをモチーフに出題されました。予想は残念ながら外れました。)
大問6 物理分野
物理分野は
運動と電気が交互に出題される傾向にあります。
昨年度に電気が出題されていますので、
今年度は運動分野(力学的エネルギー保存則)が出題される可能性が高いと思われます。
斜面の高さや傾き、転がす球の重量などと、速さや弾き飛ばす木片の距離などの関連性を今一度整理しておくとよいでしょう。
過去問からはR4、H31、H29、H27、H25などを参考にするとよいでしょう。
(2/22結果追記;完全的中:運動分野からの出題で高さ、重量、傾き、速さの違いとエネルギーの関連性を問う問題でした。)
大問3~6で出なかった単元は大問1,2において出題されます。4点分か12~16点分かという違いになりますので、まったく無視することはできません。大事なのは大問での出題のされ方(実験の方法、注意点、結果と考察)をよく知ることです。
大問4,5,6では比較対象実験の考え方をしっかり押さえることに注意して今一度直前の復習確認をしてみてください。直近の過去問を解くだけだと対策が不十分になりがちな大問3の天体などは是非大きくさかのぼって問題を見てみましょう。
また、今年度は新課程に完全移行した年度でもあります。
以下の新課程内容については過去問では触れられていないのでよく注意しておきましょう。
生物では遺伝(優性→顕性、劣性→潜性)での用語の変化、
物理ではプリズムによって白色光が様々な色の光に分かれること、
地学では地球規模のプレートと地震の分布などに着目すること
化学では同位体の存在(中性子の数が異なる原子)やダニエル電池
以上、これらはすべて当塾の予想に過ぎません。
今年度は新課程完全移行の最初の年度でもあります。出題傾向の大きな変化もあるかもしれません。あくまで直前の短い時間に、何をすべきか、という観点で、出題可能性の高いものを中心に時間を多く使いたいという方に向けて発信しています。ご了承ください。
直前予想は数学の単元も行っております。こちらの記事もよければご覧ください。
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