変更前回の記事には、採点基準と採点項目、模範解答などからうかがえる点を簡単に書いていきました。
今回はESATーJを作っているベネッセと、そのベネッセが作っているGTECの類似点、
そして令和元年度、令和2年度、令和3年度の3つのプレテストの微妙な違いについて書いていきたいと思います。
まずはGTECのサンプル問題と今回のEAST-Jのプレテストを比較してもらおうと思います。こちらがGTECのHPで公開されているサンプル問題(話す問題)のリンクとなります。
つぎに中学校スピーキングテストのプレテストです。
二つを見比べていただくと、まずは極めて似ていることが分かるかと思います。
パートAからパートDまで、基本的にはほとんどがGTEC coreの話すテストと同様だと思われます。是非練習用にも使ってみてください。
今回の記事で注意してほしい点は
令和元年度、令和2年度、令和3年度で少しずつ変化が起きている点です。まずはパートDを見ておきましょう。
令和3年度においてはパートB、および音声基準における母語なまりに関しても変化がありますが、今回は省略しておきます。
令和元年度( GTECのサンプル問題とまったく同じ問題ですね)
あなたは英語の授業で、次の質問に対する自分の考えと、そう考える理由を発表することになりました。聞いている人に伝わるように話してください。
What is your favorite thing to do in the evenings?
Choose one thing and explain why.
令和2年度
あなたは国際交流のイベントで発表することになりました。次の質問について、自分の考えを述べ、その理由を詳しく説明してください。日本のことを知らない人にも伝わるように英語で話してください。
What's the most popular event at your school?
Answer the question and explain why people like it.
令和3年度
海外姉妹校の生徒であるジョンから、ビデオレターで質問が届きました。そこで、あなたは、英語で回答を録音して送ることにしました。ビデオレターの音声を聞き、あなたの意見を述べ、そう考える理由を詳しく話してください。日本のことを紹介する場合は、知らない人にも伝わるように説明してください。
(英語音声のみ・画面表示なし)
青字の部分が変更点、追加要素です。
まずは、「考える理由」を「詳しく」説明するよう求めてきています。「日本のことを知らない人にも伝わるように」とありますので、日本の固有名詞を使う場合等は英語による補足説明をつけるように求めてきていると取れます。
それに合わせて解答例のレベルについても一段階難しくなっているように見受けられます。令和元年度の簡素な解答に対して、令和3年度は、語数、文構造、文法など一つずつ水準が高くなり、従来の解答はBレベルとされています。
最後は令和3年度の「画面表示なし・音声のみ」形式への変更です。
また、質問内容についてもGTECcore レベルからbasicレベルへ上げてきていると考えられます。GTEC教材を使う場合は、パートDに関してはbasicで練習することも考えてよいでしょう。題材的には令和元年度は英検3級レベルの質問で、令和3年度は英検準2級レベルの質問かと思われます。
これはパートCにおいても同様です。
パートCは4コマの性質自体は変わっていないのですが、解答例を見ますと令和3年度だけ求めている水準が少しあがっているように思われます。
こちらはやはりGTECとまったく形式が変わっていないためそのままアレンジ無しに練習してもよいかもしれません。
パートBは令和3年度のみ追加要素があります。
GTECの完全コピーから脱却するために、アレンジを加えたのかもしれません。
No.4を見てください。
【No.4】 次にあなたは、セール商品のポスターを見ています。画面上のポスターの情報をもとに、欲しい商品を一つ選び、 それを買うために知りたいことを店員に英語で尋ねてください。
青字が追加要素になります。従来は欲しい商品を選ぶだけだったものが、それに加えて値段などを聞く必要が出てきています。これは東京都の最新の動画にも疑問詞の疑問文について注意書きがあったので、出してくる可能性が高そうです。
最後はパートAですが、こちらはあまり気にしなくてもよいかと思いますが、
採点基準における音声評価の項目に少し変更が入っています。
・発音、語や句、文における強勢、イントネーションやリズムが、母語の影響を受けている場合があるが、概ね正しい。 (令和元年、2年 → 3年度の基準からは削除)
・発音は概ね正しく、強勢、リズムや抑揚が、聞き手に混乱をもたらすことはない。
→・発音は概ね正しく、強勢、リズムや抑揚が、聞き手の理解の支障となることはない。
母語の影響の記述が消されていることについては少し気になるものの、これについては良い影響も悪い影響も考えられるため、推測だけでは正直なんとも言えないところです。
導入の経緯や運営方法など議論の余地がかなり残されたまま試験を実施することになっていますが、受ける生徒さんにとっての最善を模索するほかありません。
出来ることは限られていますので、あせらず出来ることから手を付けていきましょう。
自分塾の生徒さんは土曜日に直前対策講習を行いますので、是非ご参加ください。
来年度以降受ける生徒さんも資料や対策を受けたい方はご相談ください。
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